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年始読書③ 美術館で出会った小説

昨年の12月の終わりのこと

丸の内の「三菱一号館美術館」に行きました。

 

Félix Vallotton – NOIR ET BLANC

『ヴァロットン 黒と白』 展

を観に行ったのです。

赤煉瓦の素敵な美術館ですよね〜。

なんで、今まで訪れる機会がなかったんだろ。

看板の柱も素敵、、

さて

ヴァロットンは、19世紀末にパリで活躍した画家で、木版画で高く評価されたの。

版画だから「白と黒」展なのですね。

三菱一号館美術館が、ヴァロットンの圧倒的なコレクターなの。すごうぃ〜💛

恥ずかしながら、正直まったく知らない画家だったのだけど、

この展覧会で、ほんとに好きになっちゃった!

かわいいけど、風刺画なの。

戦争や

デモ行進

そして男女の怪しい雰囲気を表現した作品シリーズ「アンティミテ(Intimités)」がなんともグッときてしまい

思わず売店でTシャツまで買っちゃった。

さらに〜売店で悩んだのが、

なんとヴァロットンが挿し絵を描いた小説があるというの。

それが、ジュール・ルナール『にんじん』

うううう

これは買いたい、、、

けど〜

なんと1976年の初版のまま重刷に重刷を重ねており、活字がちっちゃくて潰れてる。

さすが岩波書店様…..

 

でも、読んでみたい。。。

 

そしたら発見!

じゃじゃ〜ん

新潮文庫『にんじん』

平成26年の新訳版をゲット😆

活字もスッキリ!翻訳も読みやすい!

もちろん挿絵はヴァロットン。表紙のかわいいイラストにも、FVの署名。

にんじん🥕っていうタイトルもかわいい(じつは私、にんじん食べるの嫌いだけど、、笑)

おフランス🇫🇷の小説です!

てことは内容もかわいいのかな〜と思いきや

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想像を裏切る!?😅びっくりする短編集でした〜〜

恥ずかしながら、『にんじん』がどういう作品かも知らずに手にしたの。

まったく想像とは違った

けど引き込まれる〜〜

 

にんじんは主人公の少年の「あだな」なの。

にんじん君の生活と心の中を描いた、ルナールの自伝的小説

プチネタバレすると、母親からの精神的虐待を描いたお話なのです

 

子供って、経験がないだけで、精神も知能も大人と一緒なのですよね。わたしも子供のときずーっと勝手なこと考えたり想像したりしてたし、にんじんがすごく愛おしくなる。

(わたしは両親に溺愛されましたが、それはそれで後に苦労があります😉)

とにかく、美術館で思いもかけずいい小説に出会ったというお話でした‼️