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美容小説「Language of flowers」5

Language of flowers

『肌がきれいだったら、人生は変わっていただろうか?』
美容皮膚科に出会うことで、変わっていく紗菜の物語。

 

episode5.「もっと自信がほしい」
ーいつかこの鏡を見て、笑顔になれる日が来たら。

 

先週までは、火曜日が待ち遠しかった。
彼が必ず泊りに来るというのが、ふたりの中の決まり事だったから。

真っ暗な部屋に明かりをつけるのって、こんなにさみしかったんだと
嫌でも実感させられる。長居するつもりはなかったのに、
調子に乗ってピノノワールを2杯飲んだせいか足元がふらつく。

洗面台の鏡をのぞくと、ストレスが原因なのか、あごにニキビにできていた。
ファンデーションは暑さと雨のせいでヨレていて、とにかく肌が汚い。

ーbaj Jの照明が暗くて良かった。

バスタブにお湯をため、ベルガモットの精油を垂らす。

『紗菜ちゃん別れよう。』
の後に続くメッセージを開いた。

『本当にごめんなさい。他に好きな子ができた。』

まだどこかに期待していた自分を恥じた。そして、やはり胸が痛む。

その好きな子と会う時間は作れても、彼女だったはずのわたしとの時間は作れなかったんだ。
ほんの10秒前に胸が高鳴ってしまったのを取り消したい。

リナの言うように話し合う必要はないってこともわかった。

ーもっと自信が欲しい。

この肌がもっときれいだったら、可愛かったら、人生は変わっただろうか。

どろどろの顔をオイルクレンジングで全部一気に落としてから、
甘い香りのするバスタブにつかり、スマホで「bar J」をフォローしたあとで
「東京 美容皮膚科」を検索した。

職場か家から近くて、雰囲気の良さそうなところをピックアップし
のぼせるまで、いくつかのクリニックのHPを読み漁った。

 

 

to be continued…