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最新の長寿研究!第26回日本抗加齢医学会総会

前回は日本皮膚科学会総会のレポートでしたが、

こんどは

第26回日本抗加齢医学会総会

参加してきました

会場はパシフィコ横浜「ノース」

超おっきい!

今までパシフィコでの学会は「会議センター」だったので、「ノース」は初でした

 

では

とくに興味を持ったご講演2つについて書きます😊

◼︎ひとつは「長寿遺伝子」について

京都大学大学院医学研究科健康加齢医学講座の鍋島陽一先生

 

鍋島先生は、アンチエイジング界の巨頭のおひとりです。

特別な「老化マウス」をつくり、1997年にその老化の原因遺伝子を同定なさった

先生が名付けた老化遺伝子の名は、α-Klotho(クロトー)遺伝子

ギリシャ神話の「運命の三女神」は、「生命の糸を紡ぐ」クロトー、「糸を測り割り当てる」ラケシス、「その糸を断つ」アトロポスですが、その「糸を紡ぐ」クロトーからα-Klotho遺伝子と命名なさったとのこと

洒脱ですね〜

 

α-Klotho遺伝子はおもに腎臓を中心に働きます。特定のホルモンの受容体として機能し、リン・カルシウム・ビタミンDなどの代謝を正常に保つという、生命維持の根管を担っています

さらに腎臓以外では、腎尿細管や脳脈絡膜、副甲状腺などで発現し、活性酸素や慢性炎症を抑えることにより、動脈硬化や骨粗しょう症などの老化症状を防ぐ働きもある。

ということでα-Klotho遺伝子は、「長寿遺伝子(抗老化遺伝子)」として広く世界で研究されているのです。

 

先生が開発した「α-Klotho遺伝子ノックアウトマウス」は、ヒトの多発性老化症状を高い精度で再現する代表的モデルマウス🐀

これにより研究が進み、兄弟遺伝子であるβ-Klothoやγ-Klotho遺伝子も発見されました。これらは肝臓や脂肪組織、膵臓、脳で働いて、胆汁酸や糖、脂質代謝の調整をすることがわかっています。

さらに2022年には、α-Klotho遺伝子が尿由来の幹細胞Human Urine-Derived Stem Cellから分泌されるという大発見がなされました。つまり、体の中から採取せずともオシッコから採取できる❗️

ということで実用化などの研究に猛烈に拍車がかかり、慢性腎臓病や認知症の治療薬の研究に期待がかかっています。

 

老化の研究をふりかえりますと、1935年にマッケイ博士が「カロリー制限でラットの寿命が伸びる」ことを発見したのが出発点

その後数十年のブランクを経て、1997年のα-Klotho遺伝子で大きく動き出しました

2000年にはガレンテ教授と今井眞一郎博士がサーチュイン遺伝子を発見、その活性化に関与する物質としてレスベラトロールやNMNの研究や、カロリー制限状態を作るメトホルミンの研究も盛んになりました

いっぽう、老化細胞を除去するセノリティックドラッグの開発も大きな期待を集めましたが、現時点では実用化は容易ではないようです⤵️🤔

 

そしていま、健康長寿(ロンジェビティ)分野は、4兆円を超えるともいわれる巨額の投資を集めています

どれほどの大富豪であってもまだ「不老不死」の体を手に入れた人はいません。そのため長寿研究は、大金が動くビジネスになるわけです

巨額マネーによって「いのちの研究」の健全性がゆがめられる可能性も指摘されていますが、それでも、目が離せない分野であることは間違いありません

 

◼︎ふたつめは、国際的科学コンペティションに挑戦しておられる話

順天堂大学大学院医学研究科創造長寿医学特任教授の堀江重郎先生

 

堀江先生は、「Japan Longevity Consortium」という研究グループを主宰なさっています

このグループが、国際的な科学コンペXPRIZE Healthspanで、決勝に進出することが決まったそうです

これから3年かけて、2030年に優勝チームがきまる。優勝賞金はなんと130億円

サウジアラビア政府系の非営利団体をはじめ、世界中の財団などからお金が集まるそうです。「いのちの研究」があからさまにビジネス的にしないように、寄附というスキームで行う取り組み

 

堀江チーム「Japan Longevity Consortium」の研究は、高価な薬などに頼らず、お金をかけずに誰にでもできる行為でlongevityを目指すという、画期的なもの

むかしから禅僧がご長寿、ということから発想を得たそうで、ファスティング・運動・「フロー状態(何か物事に集中する、熱中する)」が長生きに効くということを立証しようという試みです

 

コンペティションの賞金は高額ですが、そこまでの研究の費用は自前らしいです。ご興味ある方はこの堀江グループにご寄付なさってはいかがでしょうか🤗

ウェブサイトはこちらです!

https://www.longevityconsortium.jp/

 

堀江先生を囲んで

 

以上、とくに印象深かったご講演2つを紹介しました

 

学会の前夜祭でもある会長招宴会

理事や評議員の先生方と記念撮影✨

申し合わせたわけでないのに、アニマル柄🐆多し🤣!

アニマル柄がアンチエイジングにいいというエビデンスはありませんので~~🐆

 

抗加齢医学会の会員数はおよそ9,500名

医師、歯科医師、看護師、理学療法士、研究者、学生会員などなど職種問わず絶賛会員募集中です!

年1回の総会では楽しいイベントも盛りだくさんで、今年は劇団四季の『マンマ・ミーア!』貸切公演でした

 

「マンマ・ミーア!」みたいな人生もいいな〜😆

ありがとうございました🙏

 

第125回 日本皮膚科学会総会 in京都

第125回 日本皮膚科学会総会

に参加してきました

6月11日〜14日 4日間の開催

今年は木・金の2日間だけ京都で現地参加しました

土曜日は終日診療で不参加ですが日曜日は家でオンライン聴講😊

毎年「フルで現地参加した〜い」と思います。そのくらい魅力的な講演が目白押しなの

京都は、暑かった☀️〜

わたし看板前でジャケット脱いじゃってますが😅、会場内ではドクターの皆さまきちんとジャケット着用

連日大変な盛会で、満員のセッションも多かったです

わたくしはあえて、美容皮膚科よりも「皮膚科の保険診療」の新しい知見のキャッチアップに勤しみました

 

とくにアトピー性皮膚炎の治療の進化はすごい

分子標的治療薬がどんどん開発されています。生物学的製剤(注射薬)とJAK阻害薬(内服・外用薬)

とはいえまだ、大学病院レベルでも、これらの治療薬のどの製品をどう使い分けるか経験を積んでる段階とのこと

その治療経験の貴重な講演を聴講できました

 

また、当院の美容診療でもご相談の多い酒さ(しゅさ)についてもアップデート

⬇️⬇️⬇️noteもチェックお願いします😌https://note.com/daigyojierico/n/n7d3d9d63fd62

 

さらには、自分の通常の診療分野ではないセッションにこそ、積極的に参加しました

 

まず学校保険・小児皮膚科

最新情報のセッションでは、東京保健医療大学の渡會睦子先生の、思春期の子供たちに対する性教育(啓蒙)活動に敬服🙇‍♀️

いま、子供の性感染症や堕胎が、大きな課題となっています…..

 

そして、創傷治癒のセッション

富山大学の鹿児山浩先生の、重症熱傷の救命救急とその後の管理のご講演に、感服しました

 

さらに、がん治療の新薬

選択肢が本当に増えています。従来の抗がん剤から、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬、内分泌療法、そしてウイルス療法です

ウイルス療法は、皮膚科の分野だと、アメリカの製剤でメラノーマでの治験が進んでいるの

しかし、がんのウイルス製剤は、なんと東京大学が世界をリードしているのです👏

東大医科研の藤堂具紀先生のご講演を聴講しました。

遺伝子組み換えヘルペスウイルスが、がんを駆逐する!すごい!

ただ、やっぱりiPS細胞の分野同様【死の谷】問題があります

製薬会社さんも企業ですから、新薬を開発できたら、そのあときちんと利益を回収しないといけない

しかし、日本の公的医療保険制度のもとで新薬の価格設定をすると、自由な海外に比べて薬価を大幅に低く抑えられてしまう…..

例えば東大が開発したデリタクトは「1瓶143万円」。しかしこれがアメリカ製だとざっと5倍の価格になるというの

つまり、日本で創薬するメリットがない…..実際、新薬開発で日本がリードしている分野は本当に少ない

藤堂先生は、産官学🇯🇵一体となるべきと強調しておられました

 

皮膚科学会に行くと、本当に素晴らしいご講演が目白押しで、大興奮🤯です

企業さんによる展示会場も賑わってました

わたくしが大好きなCO2レーザー「アキュパルス」の前で記念撮影😉

 

さて、この夏アオハルに、まったく新しい機器を2台導入します🤗

そちらの企業さんのブースにも立ち寄って、最新の輸入状況も確認できました〜

世界はとっても不穏ですが、新しい仲間たちはいまのところ予定通りに、アオハルに向かって出荷されつつあります!

乞うご期待❤️

 

 

第80回読書ブログ 本屋大賞『イン・ザ・メガチャーチ』

わたくしの読書ブログ、数えて80回目

毎回「好き!」と思う本だけを取り上げてきました

が、しかし…..

今回はあえて

苦手だった〜😭」っていう小説を紹介します😂

 

4月に発表された2026年本屋大賞🏆一位

『イン・ザ・メガチャーチ』

朝井リョウ著

日経新聞社出版

昨年9月の刊行ですが、まだ文庫本ではない

ベッドで読むのに苦労しました😆

本屋大賞に選ばれた理由が知りたい一心で、がんばってハードカバーを抱えながら読みました

 

でも〜

読み進めるのがツライ、、、

文体は苦手ではないけど、なんせストーリーがツライ、、、、😱

読みながらしんどくなっちゃった🤣

 

主要登場人物は3人。

47歳の父親(レコード会社勤務)

その娘(大学生)

非正規雇用で働く30代女性

 

読んでてしんどくなった理由はふたつあって

ひとつは、この小説のテーマが「現代の生きづらさ」だから

しかもそれを、なんの遠慮もなんの救いもなんの容赦もなく、抜き身の刀のように読者に突きつけてくるからです

 

そしてしんどさのふたつめは、

私が、主人公3人の誰にも共感しにくかったから

40代父親くんの気持ちについては、ギリギリわからんでもないですが、、、

やはりわたくしは「昭和X世代」で、Y世代やZ世代の人の思考回路は理解できないんだなぁと、、、

 

X世代のわたしは、ザ・昭和アナログ社会で育ちました

で、大人になったら社会のデジタル化が始まったの

研修医時代の1999年に、はじめてパソコン(iMac)を、親に買ってもらいました

当時の順天堂の研修医の月給は「3万円」。勉強させて頂いてるだけでありがたいという感覚😊 それも含めて、年号は平成でも完全にザ・昭和アナログ社会でした

そして30代半ばの2008年に、はじめてスマホ(iPhone3G📱)を、これはもちろん自分で買った

そこからは、怒涛のデジタル時代

わたくしという人間を形成したのは昔ながらのアナログ社会で、その後、デジタルに驚いたり感動したり楽しんだりしながら、今に至っている

アナログ時代がどうであったか(よかったことも、悪かったことも)を知る最後の世代

そして、それが変わっていくのを、リアルタイムで体験してきました

 

しかし次のY世代の人たちは、子どものころからデジタル化が始まっている。さらにその次のZ世代は、生まれたときからデジタル社会です

思想やルールが、自分たちX世代とかけ離れるのもとうぜん。若いかたの言動に戸惑ってしまうことが年々増えていく😭

そして、、、

ハッキリ言って私は以前から、「SNSの中で、自分を盛って生きている人たち」がぜんぜん幸せに見えなかったのですが

この小説では、その私の感想がいわば当たっちゃってる

 

いまの若い方々が、日々を幸せに生きようとすると、そのためにどのくらい大変なことをしなきゃいけなくなってしまっているのか

ということを、「推し活」を例に、くっきり言葉にしてしまっています

読んでみてください。しんどくなるから😆

 

そういえば

日本🇯🇵では2030年度から、デジタル教科書を格上げして紙の教科書と同等に扱うという改正法が成立したそうですね

かたやスウェーデン🇸🇪は、すでに教育のデジタル化が行き過ぎていて、いま脱デジタル紙の教科書回帰を志向しているとか

、、、本当に現代はむずかしすぎます

 

父が他界して8年

先週は命日だったのでお墓参りに行きました

父の生きた時代が、人類の数万年の歴史で、一番良かった数十年間だったのかもしれないな〜